多読tips(6) 易しい英語は「海」
多読クラス担当のKumiko先生のtipsシリーズです。
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ORT はとてもよくできたシリーズで、話もおもしろいですし、表情豊かな絵も魅力的です。イギリスの小学校の国語の副読本だということですが、日本の小学校にもこんな楽しい図書が揃っていたら、みんな本を読むことがもっと好きになるかもしれませんね。
そのORT の英語ですが、Stage5くらいで6歳児、つまり小学校1年生くらいのレベルだそうです。いたってシンプルな文ばかりですが、状況はちゃんと伝わります。ハラハラドキドキもさせてくれますし、ユーモアもあります。もし、これくらいの内容を、こんな風にシンプルな語彙と文章で話すことができたら、とてもすばらしいことだと思います。
もちろん、このレベルの英語では、経済問題や、哲学的な話や、複雑な人間関係の悩みなどは話せないと思います。皆さんが、「大人が本当に話したいのは、そういうことなのに…!」とイライラしたり、焦ってしまう気持ちもよくわかります。
大人が、シンプルな言葉で話すことに満足できないのは、すでに複雑な概念が育ち、知識が豊富になってしまっているからです。易しい言葉では易しい概念や知識しか表せないこともあるので、そのギャップがもどかしいのだと思います。
でも、こんな例えがあります。多読的に本が読めるようになると、環境について書かれた文章を、もし ”environment” という単語を知らずに読み始めても、他の部分にのめり込んで読むことで、内容はわかるというのです。
つまり、難しい部分は海に浮かぶ島々のようなもので、その間を埋めている大量の海の水は、易しい言葉で書かれているからだ…と。それならば、海の部分は、易しい本をたくさん読むことでわかるようになる、ということですね。
なんだかわくわくする話ではありませんか?
会話も同じではないでしょうか。大人の会話だからといって、難しい話題だからといって、けして易しい英語が不要になるわけではありません。易しい本から学ぶことは尽きない、そう思います。
(Kumiko Uozumi)
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いいお話ですね。難しい島の部分も、易しい海がたっぷり囲んでいるからわかり易いのですね。島ばっかりの話し方をしたら・・・聞いてくれる人がいなくなるかも。(須釜)
「易しい英語は海」う~ん、胸にじ~んとくる良い言葉ですね。よし、大海原にとびだそう! l see .l sea
ナリタさんはいつも札幌市の地下歩行空間という「大海原」に飛びだしていますね。今日は誰に会いましたか?