仮定法のきも キモ 肝
仮定法というと英語を学ぶ人にとって最も頭の痛い分野のひとつですね。
英語クラブの生徒さんも「文法書を読んでみましたが量が多すぎてさっぱりわかりませんでした」ということです。
関係詞、現在完了・・・等々難しい分野はありますが、どれもわかってみると便利この上ありません。
難しく感じる原因は日本語の概念と違うからですね。
日本語とどう違うのか、その肝はなにか、私が仮定法について「そうか、わかった!」と思ったときの納得感をおすそ分けしましょう。
男性が女性をデートに誘う場面を想像してみましょう。
① If I ask you for a date, will you say yes?
(私がデートを申し込んだらyesといってくれますか?)
この英語は間違っていませんが、日本語訳を見るとちょっと一方的すぎますね。
ふつうは「仮にだけど、僕がデートを申し込んだりしたら・・・」とか、「もしかして」「万一にも」などといろいろ言葉をくっつけて「仮定の話」感を出すのではないでしょうか。
気の弱い男性なら「あり得ないかもしれないけど、もし僕が・・・」のような言い方もするかもしれません。
英語なら、そんなグダグダ言葉はいりません!
② If I asked you for a date, would you say yes?
(もしも、もしもだよ、僕がデートを申し込んだりしたら、yesなんて言ってもらえるかな)
このように、askを過去形に、willをwouldに替えるだけで、まったく現実離れした仮定の話だけど・・・ということがハッキリし、真に受けないようにと伝えることができます。
ぐっと遠回しの、遠慮した尋ね方に変身するのです。
askedだからといって過去の話をしているわけではありません。
英語では、①は現実的なふつうの話です。
②は現実離れした、あるいは現実に反する話です。
これら二つは全く別物です。
①はifは使っていますが、文法では仮定法ではなく直接法という言葉で呼ばれたりします。
②が仮定法です。
英語ではこのように、動詞の時制を過去にすることで「現実ではない」ことをはっきり示す仮定法という仕組みがあります。
一方、日本語では①と②は分かれていないので、誤解を避けるために「万一」とか「仮定の話だけど」「もしもだよ」など様々な修飾語を使って必死に「あり得ない」感を出すわけです。
英語では、If I asked…とこの過去形を聞いた瞬間に「あっ、あり得ない仮定の話ね」と理解してもらえるのです。
これが仮定法の肝です。
英語を読んでいて、過去の話でもないのに動詞の過去形が出てきたら、仮定法を疑いましょう。
このことをわかって文法書を読むともう少しわかるのではないでしょうか。
ガッテンしていただけたら、コメントなどいただければ幸せです。
——今日のじゃれマガ——
じゃれマガは面白く、易しい英語で毎日配信される素晴らしい教材です。その英語はとても良いお手本です。じゃれマガからもっと学ぶためのヒントを提供します。
★今日のじゃれマガーその要旨
車に動物が巣をつくる話は時々聞きますね。
★学びたい英語/まねたい英語(特にお手本と思うところ)
・休暇を終えて仕事に戻る
・リスの母親がすでに巣を作っていた(この騒動より以前に)。だからhad made(大過去と呼ばれます)
・一匹ずつ連れて行った
★今日のじゃれマガ 全文
The Mechanic Was Surprised!
When a policeman near Chicago came back from a holiday, he noticed that one of the headlights on his police car wasn’t working. He took the car to a mechanic. The mechanic was surprised when he looked inside. He found a nest! It was made of leaves, and there were four tiny baby squirrels (“risu”) inside. Their mother had made a nest for them in a warm place, near the engine. The policeman didn’t want to kill the babies, so he put them in a box and left the box outside. The squirrel mother came back in the evening. She took her babies one by one to a new nest inside a tree.
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