誤解 続の続
数日前の記事「誤解 続」に河上先生から次のようなコメントを頂戴しました。先生は中学校の英語の先生で、長年みらいを応援してくださっています。大事な内容なので転載させていただきます。(須釜高雄)
————-以下原文のまま————
鳥飼先生は、こういうことも主張しています。
「日本の教育現場においては、コミュニケーションを単なる会話だと解釈したようで、『話す』『聞く』ことに時間を割いて、『読む』『書く』ことがおざなりにされたため、(中略)会話中心教育は、『読む』『書く』力を低下させたばかりでなく、『話す』『聞く』力の向上にもつながっていないのです。」
また、「文法・読解の授業が縮小の一途をたどってきたことは、『英語が使える日本人』の育成という目標を、遠ざける結果を招いてしまいました。『読む・書く』力は英語の根幹をなすものであり、それがおろそかにされ続ければ、国民全体が『英語を使える』どころか、翻訳や通訳などを行う英語のプロフェッショナルを育成することもできなくなります。『役立つ英語』とか『使える英語』などのお題目に汲々としていると、せっかく江戸時代から脈々と受け継がれ、明治時代に花開いた日本の翻訳文化なども、存亡の危機を迎えることになるでしょう。」
さらに、「私は通訳者として、また英語教員として、『英語を使って』きましたが、英語を単なるコミュニケーション・ツールだと思ったことはありません。英語に限らず、言語とはツール(道具)などという単純なものではないのです。言語とは人間の思考であり、人間そのものとさえいえる、と考えています。そして同時に私にとっては母語である日本語も、けっして手放すことのできない、自分の根幹をなす言語だと思います。」とも言ってます。【引用文献:「英語・愛憎の二百年」(NHKテレビテキスト「歴史は眠らない」)】
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河上先生、これはご自分でタイプされたのでしょうか。大変お手数をありがとうございました。
論とか思想というものは実に深いものです。長いものを敬遠し、何でも短く伝えようとする現代ですが、「そんなことは不可能だ。全部読まなくてはわからないものだ」という感想を新たにしました。鳥飼先生の言われることはやはり著書を1冊丸ごと読まなくてはわからないものでしょうね。
河上先生本当にありがとうございました。
::::::: 今日の英語クイズ:::::::
次の ( )には何が入るでしょうか。答は明日のお楽しみ。
( ) must pay cash. 参考訳:現金で払わなくてはいけません
昨日の答:no
鳥飼先生のお話、ズンッと心に響きました。さすが長年、誠実に英語にたずさってこられた方の言葉だと思いました。
「言語はツールという簡単なものではない」本当にそうだと思います。それゆえ、日本語も大事にしなければ・・・この頃、私の家の周りにも、英語オンリーの幼稚園、保育園ができてきました。私は冷ややかに眺めています。
ところで、このところのクイズの話題で気になってきたのですが・・・・・(ジャレマガを毎日読んでいても、忘れているのですね)2週間後にアメリカに行く予定があります。クレジットカードを受け付けないレストランが増えてきたとジャレル先生は言ってますが、本当でしょうか?デビットカードを作っていったほうがいいのでしょうか?seiko先生が行かれた時はどうでしたか?こんなところで、プライベートな質問をすみません。
今日の答えはweかyou?前後の流れからするとyouでしょうか?
私たちは言葉で意思疎通を図るわけで、
早い話、思いを伝えたいから話すってことですよね。
アスマチは、日本語でも英語でも、
思いがうまく伝わるよう似たような努力をしている気がします。
クイズは、決め手はないのですが、
やはりyou が来るのではないかと思います。
ケ・セラセラさん、コメントありがとうございました。
見ごろからじゃれマガを読み、クイズもご覧いただいているとのこと、たいへん励まされます。
いつも「のれんに腕押し」で書いているもので。。。
2週間後にニューヨークですか、すっかり不安にさせてしまいましたね。でも最後まで読んでご安心ください。
このyou大いに使って英語が楽になってください。