誤解 続

「子供に英語なんか教えても何にもならないと鳥飼先生が言っていた」とある人が言うのでびっくりしました。

鳥飼久美子さんといえばわれわれ団塊の世代なら誰でも知っている、アポロ月面着陸などで同時通訳した人です。現在は大学の教授であり、NHKテレビ「ニュースで英会話」も担当されています。

「鳥飼先生がそんなことを言うはずはないが」と思い、確認してみました。

やはり思った通りでした。
幼児期に「歌ったり踊ったりした程度ではモノにはならない」と言っていますが、その発言の前後にはいろいろ条件が付きます。
・しっかりした指導でなければ・・・
・ある程度の量と頻度がなければ・・・
・その後も継続しなければ・・・等々。

そういうことがなければ無駄になるという趣旨です。世間一般の安易な早期教育論議に警鐘を鳴らしての発言ですが、「歌ったり踊ったりした程度ではモノにはならない」という部分だけが独り歩きしています。

鳥飼先生だって、良質で一貫した早期教育なら賛成しないはずがありません。そうでないから批判的な立場をとっています。

アポロ中継の当時、まだ若いお嬢さんが鮮やかに同時通訳をする姿を見て誰もが「帰国子女に違いない」と思いましたが、そうではなく先生は普通に中学校から勉強したのだそうです。でもそれは並外れた好奇心と探求心があってのことで、誰でもそうなるわけではありません。

こんな人でも誤解されるのだから伝えることは本当に難しい、と最近思いました。
 

::::::: 今日の英語クイズ:::::::
次の (  )には何が入るでしょうか。答は明日のお楽しみ。
I think my body clock is finally on American time now, but when I go back to Japan, I (  ) have jet lag again. 参考訳:私の体内時計は今やっと米国時間になったようです。でも日本に戻ったらまた時差ボケになるはずです

昨日の答:fall

 

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誤解 続” に対して1件のコメントがあります。

  1. R子 より:

    【答え : will 】だと思います。

    どの様に英語を勉強するか、触れるかも大切だけど、どうすれば毎日続けれるのかも大切だと思います。
    最初は、はりきり高い目標を立てても長続きしない人が多いのでは。
    ある本によると、語学力は、筋肉と同じで使い続けないと衰えるそうです。継続は力なり。

  2. アスマチ より:

    誤解されるのは、愉快なことではありません。
    面倒はこりごりだからと言って、何も発信しないでいると、
    有益な情報も伝えられなくなります。
    悩ましいところですね。

    英語というのはゴールが見えないのではなく、
    ないのだと気付いたのが、アスマチの成果です。
    自分でゴールを定め、毎日step by step です。

    クイズの答えは、迷いますね。
    辞書に could,might,may,can,should,ought to,would, will,must
    の順に確信度が高くなる、と書いてありました。
    先生の訳からして、should くらいかな。

  3. sugama より:

    >辞書に could,might,may,can,should,ought to,would, will,must
    >の順に確信度が高くなる、と書いてありました。

    その辞書の説明・・・実際的で親切ですが、突っ込みどころ、誤解しどころも満載です。誤解を避けようと思ったら紙面が10倍になるでしょうし本当に伝えることは難しい。。

  4. Kawakami Masashi より:

    鳥飼先生は、こういうことも主張しています。「日本の教育現場においては、コミュニケーションを単なる会話だと解釈したようで、『話す』『聞く』ことに時間を割いて、『読む』『書く』ことがおざなりにされたため、(中略)会話中心教育は、『読む』『書く』力を低下させたばかりでなく、『話す』『聞く』力の向上にもつながっていないのです。」また、「文法・読解の授業が縮小の一途をたどってきたことは、『英語が使える日本人』の育成という目標を、遠ざける結果を招いてしまいました。『読む・書く』力は英語の根幹をなすものであり、それがおろそかにされ続ければ、国民全体が『英語を使える』どころか、翻訳や通訳などを行う英語のプロフェッショナルを育成することもできなくなります。『役立つ英語』とか『使える英語』などのお題目に汲々としていると、せっかく江戸時代から脈々と受け継がれ、明治時代に花開いた日本の翻訳文化なども、存亡の危機を迎えることになるでしょう。」さらに、「私は通訳者として、また英語教員として、『英語を使って』きましたが、英語を単なるコミュニケーション・ツールだと思ったことはありません。英語に限らず、言語とはツール(道具)などという単純なものではないのです。言語とは人間の思考であり、人間そのものとさえいえる、と考えています。そして同時に私にとっては母語である日本語も、けっして手放すことのできない、自分の根幹をなす言語だと思います。」とも言ってます。【引用文献:「英語・愛憎の二百年」(NHKテレビテキスト「歴史は眠らない」)】

  5. sugama より:

    河上先生、詳しくご紹介ありがとうございました。
    せっかくの文章ですから明日改めて紹介させてください。
    よろしくお願いします。
    須釜高雄

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