リレーエッセイ:エッセイを読んで
Seiko先生の道新「プラネタリウム」欄のエッセイ、すばらしかったですね。私も思わず唸ってしまいました。
エッセイの中に「おおきな木」が登場することは、ご本人からちらっと伺っていたのですが、予想と期待をはるかに超えるすてきな内容でした。
その「おおきな木」は、実は私にとっても縁の深い本です。
私がこのお話に最初に出会ったのは、35、6年前、高校演劇の作品としてでした。たまたま観た、札幌開成高校の演劇部によるもので、それはそれは印象的な作品だったことを覚えています。
大人になってから、初めて「おおきな木」の絵本を手にしてびっくり。あの劇には原作があったこと、そして、翻訳が本田錦一郎先生だということ。
私はなんと大学で、翻訳した本田先生の講義を受けていたのです。その時は「おおきな木」の訳者だということを知らずにいました。
興奮と後悔の入り交じった気持ちのまま、すぐに英語版”The Giving Tree”を買って読みました。
でも、何度読み返しても、いえ、読めば読むほど、よくわかりませんでした。この絵本を手にして以来、もしかしたら最初に劇を見て以来、まだ若かった私の中で、このストーリーの意味はずっと未解決のままでした。
今は、う~ん、人間の小さい私には、まだ答えは出ていませんね。年を重ねるにつれ、子どもが成長するにつれ、違う発見があったような気がしています。
ずっとこのままにしておこう、そして、きっと読み継がれていくんだろうな、そんな風に思える絵本です。(Kumiko)
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いつも多読tipsを書いていただくKumiko先生に、今回はリレーとして書いていただきました。最初の翻訳をされた本田先生が北大の先生だったこと、なんとKumiko先生の恩師だったこと、なんという縁でしょうか。
ちょっと調べると、本田錦一郎先生って英国紳士のような人だったそうですね。(須釜)
少しおとなしくしてようと思っていたのですが、Kumiko-senseiの「ずっとこのままにしておこう、そして…」の言葉に思わず反応してしまいました。
そうなんです、この、なんだかわからない気持ち、答えなんか出なくていい、この揺れて複雑な気持ちをそのまま大切にして生きていこう、的なあのあれです。
「おおきな木」・・・単純な私はてっきり植物の木と思っていましたが、どうもこの木は人間、人生を意味しているような「気」がしました。??
kumiko さん、もしかして私もその先生の講義を受けていたかもしれません。何しろ、うん十年前の事ですし、 先生のfirst name も覚えていないのですが、使ったテキストが’ The Art of Loving ‘(愛するということ)でした。 この本のテーマそのものなのかな、と、そして先生は英国紳士風でしたし。今日、翻訳本を未来で読んで、あの先生なら、そう訳すだろうな、と思った箇所がありましたし。
訳には、訳者の個性が出ますね。
とにかく、あの3冊のおかげで、原文を読んだ後に翻訳を読んでみるのも楽しそうだと思いました。有りがとう御座いました!
今日原語を読ませて頂きました。
正直言うと私は、あまり良いと思える話ではなかったです。それは少年(人間)のエゴ・自分勝手さに、人間の愚かさを感じたからです・・・。そんな人間に対しても愛を注ぎ続ける木さんの無償の愛は素晴らしいと思いますが。私がこの少年なら、絶対にに木を切ったりしません。時々会いに行きます。私も木を愛します。相手が木であろうと人間でなかろうと、命あるものをいたわることのできる、そういう人間が増えてほしいです。
皆さん、コメントありがとうございます。
Seiko先生
何も知らなかった自分がいろいろな経験をして成長し、やっと誰かの成長を見守る立場になりました。人生のちょうどそんなタイミング。何かにつけてふと思い出す憎いヤツです(笑)
ハマナスさん
本を読んでいただけましたか ^^
もしハマナスさんが翻訳者なら、どんなタイトルをつけますか?
soyokazeさん
私は、遊んでバイトしてサークルやって、講義はうたた寝みたいなヒドい学生でしたから、お恥ずかしいです。でも、E.フロムなら本田先生だと思います。今、みらいにある本のあとがきでもふれていたような・・・。そうでしたか・・・。
manamiさん
コメント、ありがとうございます。私も、気持ちを掻き乱されたことがありました。
この本の解釈は、その時々でも、人によっても、違っていいのだと思います。宗教によっても、体験によっても、違うでしょう。これだけ、時代をこえ、いろいろな国で、賛否も分かれながら売れ続けている絵本って、ある意味「問題作」ですよね。
書いた本人が一番びっくりしていたりして ^^;
今日、3種類の本を読ませて頂きました。
すごい奥が深い、無償の愛の本だな~と感動していました。
少しずつ違い、どれもよかったです。
この本をとても欲しくなりました。
購入しようと思います。
kanaさん
原書と翻訳2冊を比べられるって面白いですよね。
多読のKumiko’s Boxに、シルヴァスタインの本をもう2冊入れてあります。
よかったら読んでみてください ^^